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 <title type="text">あすか法律情報</title>
 <subtitle type="text">あすか法律情報: Recent Entries</subtitle>
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 <updated>2011-11-16T19:19:54Z</updated>
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 <title type="text">事例)更新料条項が有効か否か</title>
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 <summary type="text" xml:lang="ja">Ｘは，平成１５年４月１日，Ｙとの間で，共同住宅の一室につき，期間を同日から平成１...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   
Ｘは，平成１５年４月１日，Ｙとの間で，共同住宅の一室につき，期間を同日から平成１６年３月３１日まで，賃料を月額３万８０００円，更新料を賃料の２か月分とする賃貸借契約を締結し，平成１５年４月１日，本件建物の引渡を受けた。
<p>  Ｘは，Ｙとの間で，平成１６年から平成１８年までの毎年２月頃，３回にわたり本件賃貸借契約をそれぞれ１年間更新する旨の合意をし，その都度，Ｙに対し，更新料として７万６０００円を支払った。</p>
  ＸはＹに対し，更新料の支払を約する条項が消費者契約法１０条または借地借家法３０条により無効であると主張して，不当利得返還請求権に基づき支払済みの更新料２２万８０００円の返還を求めた。

<p>  ＸのＹに対する請求は認められるか。</p>
  
<p><span style="color:#22b700;">【解答】</span>  <span style="color:#ff0000;">認められない。</span></p>
最高裁平成２３年７月１５日判決


金融・商事判例　?１３７２　Ｐ７〜
<p>  </p>
（理由）

<p>  「 本件本訴は，居住用建物を上告人から賃借した被上告人Ｘが，更新料の支払を約する条項（以下，単に「更新料条項」という。）は消費者契約法１０条又は借地借家法３０条により，定額補修分担金に関する特約は消費者契約法１０条によりいずれも無効であると主張して，上告人に対し，不当利得返還請求権に基づき支払済みの更新料２２万８０００円及び定額補修分担金１２万円の返還を求める事案である。</p>
    上告人は，被上告人Ｘに対し，未払更新料７万６０００円の支払を求める反訴を提起するとともに，連帯保証人である被上告人Ｚに対し，上記未払更新料につき保証債務の履行を求める訴えを提起し，この訴えは，上記の本訴及び反訴と併合審理された。

<p>  ２ 原審の適法に確定した事実関係の概要等は，次のとおりである。</p>
  (1) 被上告人Ｘは，平成１５年４月１日，上告人との間で，京都市内の共同住宅の一室（以下「本件建物」という。）につき，期間を同日から平成１６年３月３１日まで，賃料を月額３万８０００円，更新料を賃料の２か月分，定額補修分担金を１２万円とする賃貸借契約（以下「本件賃貸借契約」という。）を締結し，平成１５年４月１日，本件建物の引渡しを受けた。

<p>      また，被上告人Ｚは，平成１５年４月１日，上告人との間で，本件賃貸借契約に係る被上告人Ｘの債務を連帯保証する旨の契約を締結した。</p>
      本件賃貸借契約及び上記の保証契約は，いずれも消費者契約法１０条にいう「消費者契約」に当たる。

<p>  (2) 本件賃貸借契約に係る契約書（以下「本件契約書」という。）には，被上告人Ｘは，契約締結時に，上告人に対し，本件建物退去後の原状回復費用の一部として１２万円の定額補修分担金を支払う旨の条項があり，また，本件賃貸借契約の更新につき，? 被上告人Ｘは，期間満了の６０日前までに申し出ることにより，本件賃貸借契約の更新をすることができる，? 被上告人Ｘは，本件賃貸借契約を更新するときは，これが法定更新であるか，合意更新であるかにかかわりなく，１年経過するごとに，上告人に対し，更新料として賃料の２か月分を支払わなければならない，? 上告人は，被上告人Ｘの入居期間にかかわりなく，更新料の返還，精算等には応じない旨の条項がある（以下，この更新料の支払を約する条項を「本件条項」という。）。</p>
  (3) 被上告人Ｘは，上告人との間で，平成１６年から平成１８年までの毎年２月ころ，３回にわたり本件賃貸借契約をそれぞれ１年間更新する旨の合意をし，その都度，上告人に対し，更新料として７万６０００円を支払った。

<p>  (4) 被上告人Ｘが，平成１８年に更新された本件賃貸借契約の期間満了後である平成１９年４月１日以降も本件建物の使用を継続したことから，本件賃貸借契約は，同日更に更新されたものとみなされた。その際，被上告人Ｘは，上告人に対し，更新料７万６０００円の支払をしていない。</p>
  ３ 原審は，上記事実関係の下で，本件条項及び定額補修分担金に関する特約は消費者契約法１０条により無効であるとして，被上告人Ｘの請求を認容すべきものとし，上告人の請求をいずれも棄却すべきものとした。

<p>  ４ しかしながら，本件条項を消費者契約法１０条により無効とした原審の上記判断は是認することができない。その理由は，次のとおりである。</p>
  (1) 更新料は，期間が満了し，賃貸借契約を更新する際に，賃借人と賃貸人との間で授受される金員である。これがいかなる性質を有するかは，賃貸借契約成立前後の当事者双方の事情，更新料条項が成立するに至った経緯その他諸般の事情を総合考量し，具体的事実関係に即して判断されるべきであるが（最高裁昭和５８年（オ）第１２８９号同５９年４月２０日第二小法廷判決・民集３８巻６号６１０頁参照），更新料は，賃料と共に賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり，その支払により賃借人は円満に物件の使用を継続することができることからすると，更新料は，一般に，賃料の補充ないし前払，賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。

<p>  (2) そこで，更新料条項が，消費者契約法１０条により無効とされるか否かについて検討する。</p>
  ア 消費者契約法１０条は，消費者契約の条項を無効とする要件として，当該条項が，民法等の法律の公の秩序に関しない規定，すなわち任意規定の適用による場合に比し，消費者の権利を制限し，又は消費者の義務を加重するものであることを定めるところ，ここにいう任意規定には，明文の規定のみならず，一般的な法理等も含まれると解するのが相当である。そして，賃貸借契約は，賃貸人が物件を賃借人に使用させることを約し，賃借人がこれに対して賃料を支払うことを約することによって効力を生ずる（民法６０１条）のであるから，更新料条項は，一般的には賃貸借契約の要素を構成しない債務を特約により賃借人に負わせるという意味において，任意規定の適用による場合に比し，消費者である賃借人の義務を加重するものに当たるというべきである。

<p>  イ また，消費者契約法１０条は，消費者契約の条項を無効とする要件として，当該条項が，民法１条２項に規定する基本原則，すなわち信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであることをも定めるところ，当該条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは，消費者契約法の趣旨，目的（同法１条参照）に照らし，当該条項の性質，契約が成立するに至った経緯，消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断されるべきである。</p>
      更新料条項についてみると，更新料が，一般に，賃料の補充ないし前払，賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有することは，前記(1)に説示したとおりであり，更新料の支払にはおよそ経済的合理性がないなどということはできない。また，一定の地域において，期間満了の際，賃借人が賃貸人に対し更新料の支払をする例が少なからず存することは公知であることや，従前，裁判上の和解手続等においても，更新料条項は公序良俗に反するなどとして，これを当然に無効とする取扱いがされてこなかったことは裁判所に顕著であることからすると，更新料条項が賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載され，賃借人と賃貸人との間に更新料の支払に関する明確な合意が成立している場合に，賃借人と賃貸人との間に，更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について，看過し得ないほどの格差が存するとみることもできない。

<p>      そうすると，賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は，更新料の額が賃料の額，賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り，消費者契約法１０条にいう「民法第１条第２項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解するのが相当である。</p>
  (3) これを本件についてみると，前記認定事実によれば，本件条項は本件契約書に一義的かつ明確に記載されているところ，その内容は，更新料の額を賃料の２か月分とし，本件賃貸借契約が更新される期間を１年間とするものであって，上記特段の事情が存するとはいえず，これを消費者契約法１０条により無効とすることはできない。また，これまで説示したところによれば，本件条項を，借地借家法３０条にいう同法第３章第１節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものということもできない。

<p>  ５ 以上によれば，原審の判断には，判決に影響を及ぼすことが明らかな違法があり，論旨はこの趣旨をいうものとして理由がある。なお，上告人は，被上告人Ｘの定額補修分担金の返還請求に関する部分についても，上告受理の申立てをしたが，その理由を記載した書面を提出しない。</p>
  第３ 結論

    以上説示したところによれば，原判決中，被上告人Ｘの定額補修分担金の返還請求に関する部分を除く部分は破棄を免れない。そして，前記認定事実及び前記第２の４に説示したところによれば，更新料の返還を求める被上告人Ｘの請求は理由がないから，これを棄却すべきであり，また，未払更新料７万６０００円及びこれに対する催告後である平成１９年９月１９日から支払済みまで民法所定の年５分の割合による遅延損害金の支払を求める上告人の請求には理由があるから，これを認容すべきである。なお，被上告人Ｘの定額補修分担金の返還請求に関する部分についての上告は却下することとする。
<p>    よって，裁判官全員一致の意見で，主文のとおり判決する。</p>
あすか法律情報　平成23年9月号-4


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  </div> 
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 <updated>2011-09-30T19:12:22+09:00</updated>
 <published>2011-09-30T19:12:22+09:00</published>
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 <title type="text">事例)商事留置権に基づく弁済充当の可否、相殺禁止の例外</title>
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 <category term="金融" label="金融" scheme="http://www.aska-law.jp/blog/index.php?mode=category&amp;aim=B6E2CDBB" xml:lang="ja" />
 <summary type="text" xml:lang="ja">Ｚは，商工ローン業者である。Ｚは，Ｙ銀行に対し，手形の取立委任をした上で当該手形...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>Ｚは，商工ローン業者である。Ｚは，Ｙ銀行に対し，手形の取立委任をした上で当該手形を裏書譲渡していたところ，平成２１年２月２３日，再生手続開始を申し立て，同月２４日，再生手続開始が決定された。</p>
  そこで，Ｙ銀行は同月２６日から同年４月６日にかけて，Ｚから裏書譲渡を受けていた手形を取り立て，合計１億７６８２万０８７６円を取得した（以下，「本件取立金」という。）。

<p>  Ｚの再生手続は，同年３月２４日，決議の見込みがないとして廃止となり，同年４月２１日，破産手続開始が決定され，Ｘが破産管財人（それ以前は保全管理人）として選任された。</p>
  Ｘ（当時は保全管理人）は，同月１１日，Ｙ銀行に対し，本件取立金の請求をした。

  しかし，Ｙ銀行は，これに応じることなく，同年７月１７日，本件取立金をＹ銀行のＺに対する貸付金に弁済充当した。
<p>  Ｘの請求は認められるか。</p>
<span style="color:#4bad00;">【解答】</span>  <span style="color:#ef1600;">認められる。</span>

  東京地裁平成２３年８月８日判決
　
<p>  金融・商事判例　?１３７３　Ｐ１４〜</p>
（理由）

<p>１　焦点?（商事留置権に基づく弁済充当の可否）について</p>
（１）	被告は、本件手形等に対する商事留置権は、本件手形等の換価金である本件取立金に対してもその効力が及び、本件破産手続の開始後、本件取立金に対する商事留置権は特別の先取特権として優先弁済権が与えられるから（破産法６６条１項）、本件破産手続の開始後、被告が本件条項に基づき、本件取立金を本件貸付金に対して充当することは、平成１０年最判の示した法理（破産手続開始後に手形の取立てが行われた場合に、商事留置権に基づく手形取立金の弁済充当について、不法行為該当性を否定した）に照らして適法であると主張する。

<p>（２）	しかし、商事留置権の目的物は｢債務者の所有する物又は有価証券｣でなければならない（商法５２１条本文）。本件取立金は、本件破産者を委任者、被告を受任者とする取立委任に基づき、被告が本件手形等を取り立てて取得した金銭であるが、金銭については、占有と所有とが結合しているため、金銭の所有権は常に金銭の受領者（占有者）である受任者に帰属し、受任者は同額の金銭を委任者に支払うべき義務を負うことになるにすぎないというべきである（最高裁平成１１年（受）第１１７２号同１５年２月２１日第二小法廷判決･民集５７巻２号９５項）。</p>
        このように、本件取立金は、取立受任者である被告が占有するものであるから、その所有権は被告に帰属するのであって、本件取立金は｢債務者の所有する物又は有価証券｣に当たらない。したがって、被告が本件破産者から預かっていた本件手形等に対して有していた商事留置権は、本件再生手続の開始後、本件手形等の取立てにより取得した本件取立金に対してはその効力が及ばず、その結果、被告は本件破産者に対し、本件取立金相当額の返還債務（不当利得）を負担したものと解するのが相当である。

<p>（３）	これに対し、被告は、本件取立金が別段預金として分別管理されていることから、当初目的物と同一性を維持した価値変形物であるなどとして、商事留置権の対象となる旨主張する。</p>
      しかし、本件取立金が分別管理され特定性を維持したからといって、その所有権が取立受任者である被告以外の者に帰属することになるわけではない（上記最高裁判決参照）。

<p>      加えて、留置権は、目的物の交換価値から優先弁済を受けることを目的とする担保物権ではないから、その効力が目的物の価値変形物に拡張されるべき性質を有するものとはいえない。また、留置権の留置的効力が目的物の価値変形物に対しても及ぶとするのであれば、物権法定主義の見地から民法３０４条に類する規定が定められるべきであって、そのような規定もないのに、当初目的物と同一性を維持した価値変形物に商事留置権の留置的効力が及ぶと解することはできない（なお、被告の主張する形式競売手続における換価金は、執行裁判所が管理する金銭であって、本件と同列に論ずることはできない）。</p>
      したがって、本件取立金は｢債務者の所有する者又は有価証券｣に当たらず、商事留置権の対象とはならないというべきである。

<p>（４）	また、平成１０年最判は、銀行が商事留置権の対象となる手形を取り立てる時点で、当該手形について、破産法の規定による特別の先取特権に基づく優先弁済権を有している事案に関する判例であって、本件のように、銀行が手形を取り立てる時点で当該手形について優先弁済権を有しない場合において、当該手形の取立金に対し商事留置権の効力を及ぼして後日における銀行の優先弁済を確保させようとする趣旨を含むものとは解されない。</p>
（５）	以上によれば、被告の上記（１）の主張は採用することができないものであり、本件弁済充当を商事留置権に基づく弁済充当とみることはできず、本件につき平成１０年最判の法理が摘要されるのものとも解されないから、本件弁済充当は破産法１００条１項に反して無効であるというべきである。

<p>２　焦点?（被告による相殺は相殺禁止の例外に当たるか）について</p>
（１）	本件破産者は、平成２１年２月２３日、再生手続開始の申立をし、同月２４日午後５時３０分、本件再生手続の開始決定がされたものの、同年３月２４日、再生手続廃止の決定がされ、同年４月２１日午後１時、職権により本件破産手続が開始されている。このような場合、相殺禁止に関する破産法７１条１項４号及び同条２項２号の｢破産手続開始の申立て｣は｢再生手続開始の申立て｣と読み替えられる（民再法２５２条１項）が、同条１項１号の｢破産手続開始後｣を｢再生手続開始後｣と読み替える旨の規定は存在しない。

<p>          したがって、本件破産者が再生手続開始の申立てを行った平成２１年２月２３日から破産法７１条１項４号及び同条２項２号が適用され、破産手続が開始された平成２１年４月２１日から同条１項１号が適用されることになる。</p>
（２）	前提となる事実、証拠（乙１の１･２）及び弁論の全趣旨によれば、被告は、再生手続開始の申立てがあることを知る前に、本件破産者との間で、本件破産者が債務の履行をしなかったときには被告が占有する本件破産者の手形等を取り立て、または処分してその取得金を債務の弁済に充当することができる旨の条項（本件条項）を含む銀行取引約定を締結し、本件手形等の取立委任･裏書交付を受け、再生手続開始の申立てがあった平成２１年２月２３日以後、本件破産手続が開始される同年４月２１日の前に、本件手形等を取り立てていることが認められる。そして、被告が本件取立金について商事留置権を有しておらず、被告は、本件手形等の取立てにより、本件破産者に対し、本件取立金相当額の返還債務を負担していることは前記１（２）で認定･説示したとおりであり、また、当該返還債務を負担した当時、被告は再生手続開始の申立てがあったことを知っていたものと認められる（弁論の全趣旨）。

<p>          したがって、被告は、破産法７１条１項４号によって、原則として、本件取立金相当額の返還債務を受働債権として、本件貸付金との相殺を主張できない。これに対し、被告は、破産法７１条２項２号による相殺を主張するので、以下、検討する。</p>
（３）	破産法７１条２項２号が｢前に生じた原因｣に基づき負担した債務との相殺を例外的に許容した趣旨は、相殺の担保的機能を期待して行われる取引の安全を保護することにあるが、無制限に相殺を認めた場合は、債権者間の公平･平等な満足を目的とする破産制度の趣旨が没却されることになる。そのため、｢前に生じた原因｣の有無の判断にあたり、考慮されるべき相殺の担保的機能に対する債権者の期待は、債権者平等や公平の理念が支配する破産法の観点からみて、合理的なものと評価できるものでなければならないと解される。

<p>          また、再生手続は、債務者とその債権者との民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とするものであり(民再法１条)、再生手続が再生手続廃止の決定などによって終了したときには、債権者間の公平･平等な満足を図る終局的な手続である破産手続に移行することが予定されていることからすれば、本件のように再生手続が破産手続に移行した場合には、再生手続と破産手続とを一体のものとして把握すべきである(最高裁昭和５７年(オ)第２４６号同６１年４月８日第三小法廷判決･民集４０巻３号５４１頁参照)。</p>
          したがって、本件破産手続との関係において、破産法７１条２項２号所定の｢前に生じた原因｣が認められるか否かについては、再生手続きにおける事情をも考慮した上で、相殺の担保的機能に対する債権者の期待が合理的なものであるかどうかを検討すべきである。

(４)	　ところで、被告は、本件再生手続の開始後に本件手形等の取立てを行い、本件破産者に対して本件取立金相当額の返還債務を負担するに至ったものであるから、当該返還債務を受働債権として行う相殺は、本件再生手続との関係では、民再法９３条１項１号により認められないものといえる。これに対し、被告は、本件取立金相当額の返還債務は、被告による本件手形金等の取立てを停止条件とする債務であって、本件再生手続の開始時には、既に発生していたから、本件再生手続の開始後に被告が本件手形金等の取立てを行ったとしても、民再法９３条１項１号の｢債務を負担した｣場合に当たらないと主張する。
<p>          しかし、本件取立金相当額の返還債務は、被告が本件手形金等を取り立てることによって初めて発生する債務であって、本件破産者との間で手形の取立て･充当に関する合意をしていたとしても、本件再生手続の開始決定前から既に発生し、被告による本件手形等の取立てを停止条件として効力を発するという性質のものとは認められない。仮に本件取立金相当額の返還債務を停止条件付債務であると解したとしても、破産者の財産及び債権債務を精算し、債権者間に平等に弁済することを目的とする破産手続きとは異なり、再生手続は、債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業または経済生活の再生を図ることを目的とするものであること(民再法１条参照)、また、民再法には破産法６７条２項に相当する規定がないことを考慮すれば、再生手続開始後に停止条件成就により負担した債務については、一律に民再法９３条１項１号所定の相殺禁止の対象になると解するのが相当である(最高裁昭和４５年(オ)第４４９号同４７年７月１３日第一小法廷判決･民集２６巻６号１１５１頁参照)。</p>
          そして、この理は、再生手続開始前に、債権者が破産者から手形の取立委任･裏書譲渡を受け、手形取立金相当額の返還債務を受働債権とする相殺に対して期待を持つに至った場合であっても異なる理由はなく、これに反する被告の主張は採用することができない。

<p>  (５)	上記(４)のとおり、本件再生手続の開始後、被告が本件手形金等を取り立てても、本件再生手続との関係では、本件取立金相当額の返還債務を受働債権とする本件貸付金との相殺は許されないから、被告が当該相殺の担保的機能について期待していたとしても、それは合理的なものとはいえない。そうすると、その後、本件再生手続が廃止されて本件破産手続に移行し、本件破産手続において、被告が本件取立金相当額の返還債務を受働債権とする本件貸付金の相殺について期待を持つに至ったとしても、それは合理的な期待として保護すべきものとは認められない。</p>
          したがって、本件取立金相当額の返還債務を受働債権とする本件貸付金の相殺が本件再生手続との関係で否定される以上は、移行後の本件破産手続との関係においても、当該相殺は効力を持たないものとすると解するのが相当であるから、被告の本件破産者に対する本件取立金相当額の返還債務は、破産法７１条２項２号の｢前に生じた原因｣に基づき負担した債務には当たらないというべきである。

<p>あすか法律情報　平成23年9月号-3</p>
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 <updated>2011-09-30T19:07:09+09:00</updated>
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 <title type="text">事例）派遣先会社で派遣社員として就労していた者は，労働者派遣法違反等を理由として，派遣先会社との間で労働契約が成立していると主張できるか。</title>
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 <category term="労働法" label="労働法" scheme="http://www.aska-law.jp/blog/index.php?mode=category&amp;aim=CFABC6AFCBA1" xml:lang="ja" />
 <summary type="text" xml:lang="ja">Ｘは，派遣社員である。Ｘは派遣先Ｙに対し，労働者派遣法違反（偽装請負）を理由とし...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>Ｘは，派遣社員である。Ｘは派遣先Ｙに対し，労働者派遣法違反（偽装請負）を理由として，Ｙとの間で労働契約が成立していると主張し，労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めた。</p>
  ＸのＹに対する請求は認められるか。

<p>  なお，以下のような事情があるとする。</p>
?	派遣先Ｙと派遣元Ａとの間に資本関係・人的関係は一切ない。

<p>?	派遣元Ａは，独立の法人格を有する株式会社であり，Ｙ以外の会社にも派遣労働者を派遣していた。</p>
?	Ｘは，派遣元Ａに派遣社員として登録していた。

<p>?	ＸがＹで働き始める際に派遣元Ａから交付を受けた就労条件明示書には派遣労働である旨明示されていた。</p>
?	ＸはＹで働いていた際，Ｙの契約社員になることをＹの担当者に対し希望していた。

<p>?	Ｘは，派遣元Ａから支払われる賃金を受領していた。</p>
?	Ｘの賃金は，派遣元Ａが独自に決定していた。

<p>?	勤務表による出退勤の管理，有給休暇の付与についても派遣元Ａが行っていた。</p>
?	派遣元Ａは，Ｘに対し，派遣労働契約更新時に，その都度，就業条件明示書を交付していた。

<p><span style="color:#59b200;">【解答】 </span> <span style="color:#ff0505;">認められない。</span></p>
  大阪地裁平成２２年１２月２７日判決、請求棄却（控訴中）

<p>  判例タイムズ?１３４９　Ｐ１１８〜</p>
（理由）

<p>  「もっとも，労働者派遣法の趣旨及びその取締法規としての性質，さらには派遣労働者を保護する必要性等を踏まえると，仮に労働者派遣法に違反する労働者派遣が行われた場合であったとしても，特段の事情のない限り，そのことだけで派遣労働者と派遣元との間の派遣労働契約が，また，派遣元と派遣先との労働者派遣契約が直ちに無効となるものではないと解するのが相当である（参照・最高裁平成２１年１２月１８日第二小法廷判決民集６３巻１０号２７５４頁）。そこで，派遣労働者と派遣元との黙示の労働契約の成否であるが，それを判断するに当たっては，派遣元に企業としての独自性があるかどうか，派遣労働者と派遣先との間の事実上の使用従属関係，労務提供関係，賃金支払関係があるかどうかといった点を総合的に判断して決するのが相当であると解する。より具体的には，労働者が派遣元との派遣労働契約に基づき派遣元から派遣先に派遣された場合であっても，派遣元が形式的な存在にすぎず，派遣労働者の労務管理を行っていないのに対して，派遣先が実質的に派遣労働者の採用，賃金額その他の労働条件を決定し，配置，懲戒等を行い，派遣労働者の業務内容・派遣期間が労働者派遣法で定める範囲を超え，派遣先の正社員と区別し難い状況となっており，派遣先が，派遣労働者に対し，労務給付請求権を有し，賃金を支払っている等派遣先と派遣労働者間に事実上の使用従属関係があると認められるような特段の事情がある場合には，派遣先と派遣労働者との間において，黙示の労働契約が成立していると認められる場合があるというべきである。」</p>
あすか法律情報　平成23年9月号-2


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  </div> 
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 <updated>2011-09-30T19:03:36+09:00</updated>
 <published>2011-09-30T19:03:36+09:00</published>
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 <title type="text">事例）折り図の著作物性と類否判断</title>
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 <summary type="text" xml:lang="ja">Ｘは，折り紙作家であり，自分の書籍に「へんしんふきごま」の折り図を説明文入りで掲...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>Ｘは，折り紙作家であり，自分の書籍に「へんしんふきごま」の折り図を説明文入りで掲載していた。</p>
  Ｙは，テレビドラマの番組ホームページに「吹きゴマ」の折り図を掲載した。

<p>  Ｘは，Ｙによる折り図の作成及び番組ホームページへの掲載行為が著作権及び著作者人格権の侵害に当たると主張し，損害賠償及び謝罪文の掲載を求めた。</p>
  Ｘの請求は，認められるか？

<p><span style="color:#11b700;">【解答】</span>　<span style="color:#ff0505;">認められない。</span></p>
  東京地裁平成２３年５月２０日判決　棄却（控訴中）

<p>  判例時報?２１１７　Ｐ１１１〜</p>
(理由)

<p>（争点）折り図に著作物性が認められるか？</p>
　　　類否判断において著作権侵害及び著作者人格権侵害が認められるか？

<p>（本件折り図の著作物性）</p>
  折り紙作品の折り図は，当該折り紙作品の折り方を示した図面であるが，その作図自体に作成者の思想又は感情が創作的に表現されている場合には，当該折り図は，著作物に該当するものと解される。もっとも，折り方そのものは，紙に折り筋を付けるなどして，その折り筋や折り手順に従って折っていく定型的なものであり，紙の形，折り筋を付ける箇所，折り筋に従って折る方向，折り手順は所与のものであること，折り図は，折り方を正確に分かりやすく伝達することを目的とするものであること，折り筋の表現方法としては，点線又は実線を用いて表現するのが一般的であることなどからすれば，その作図における表現の幅は，必ずしも大きいものとはいい難い。また，折り図の著作物性を決するのは，あくまで作図における創作的表現の有無であり，折り図の対象とする折り紙作品自体の著作物性如何によって直接影響を受けるものではない。

  (イ) そこで検討するに，?「へんしんふきごま」の折り方は，３２の折り工程からなるところ，本件折り図は，この折り方について，１ないし１０の手順に分解した説明図及び完成形を示した説明図を基に説明したものであるが，３２の折り工程のうち，どこからどこまでの折り工程を一つの手順にまとめて何個の説明図を用いて説明するかについては選択の幅があること（甲１３の１，２），?本件折り図は，別紙１のとおり，最初の折り工程から完成形に至るまでの折り工程について，紙の上下左右の向きを一定方向に固定し，紙の表と裏を色分け（赤色と無色）した各説明図において，折り筋を付ける手順を示す矢印，折り筋を付ける箇所及び向きを示す点線（谷折り線・山折り線），付けられた折り筋を示す実線，折った際に紙が重なる部分を予測させるための仮想線を示す点線によって折り方を示すことを基本とし，これらの折り工程のうち矢印，点線等のみでは読み手が分かりにくいと考えた箇所について説明文及び写真を用いて折り方を補充して説明したものであること，?本件折り図に従えば，「へんしんふきごま」の折り紙作品を特段の支障なく作成できることによれば，本件折り図を全体としてみた場合，上記説明図の選択・配置，矢印，点線等と説明文及び写真の組合せ等によって，「へんしんふきごま」の一連の折り工程（折り方）を見やすく，分かりやすく表現したものとして創作性を認めることができるから，本件折り図は，著作物に当たるものと認められる。
  
<p>（被告折り図と本件折り図の対比）</p>
  (ア) 被告折り図と本件折り図は，別紙３のとおり，?３２の折り工程からなる「へんしんふきごま」（吹きゴマ）の折り方について，１０個の図面（説明図）及び完成形を示した図面（説明図）によって説明している点，?各説明図でまとめて選択した折り工程の内容，?各説明図は，紙の上下左右の向きを一定方向に固定し，折り筋を付ける箇所を点線で，付けられた折り筋を実線で，折り筋を付ける手順を矢印で示している点等において共通している。

<p>  (イ) しかし，他方で，本件折り図は，別紙１のとおり，折り筋を付ける手順を示す矢印，折り筋を付ける箇所及び向きを示す点線（谷折り線・山折り線），付けられた折り筋を示す実線，折った際に紙が重なる部分を予測させるための仮想線を示す点線によって折り方を示すことを基本とし，これらの折り工程のうち矢印，点線等のみでは読み手が分かりにくいと考えた箇所について説明文及び写真を用いて折り方を補充して説明する表現方法を採っているのに対し，被告折り図は，別紙２のとおり，折り工程の順番を丸付き数字（?ないし<32>）で示した上で，折り工程の大部分（?ないし?，<21>ないし<24>，<26>ないし<31>）について説明文を付したものであって，説明文の位置付けは補充的な説明にとどまるものではなく，読み手がこれらの説明文と説明図に示された点</p>
  線，実線及び矢印等から折り方を理解することができるような表現方法を採っている点で相違している。このような相違点に加えて，本件折り図では，写真を用いた説明箇所があるのに対し，被告折り図では，写真を用いていない点，本件折り図では，紙の表と裏を色分け（赤色と無色）しているのに対し，被告折り図では，色分けをしていない点，本件折り図における「工夫のヒント」の記載内容と被告折り図における「完成！」の記載内容が全く異なる点，被告折り図の７番目の説明図における折り筋（折り目）を示した点線の位置が，本件折り図の手順７の説明図に示された正しい位置と異なるため，被告折り図に従って折り進めても，完成形に至ることはできない点において相違する。

<p>  (ウ) 以上のとおり，被告折り図と本件折り図は，前記(イ)の相違点が存在することから，折り図としての見やすさの印象が大きく異なり，分かりやすさの程度においても差異があるものであって，前記(ア)の共通点を最大限勘案してもなお，被告折り図から，「へんしんふきごま」の一連の折り工程（折り方）を見やすく，分かりやすく表現した本件折り図の表現上の本質的特徴を直接感得することができるものとは認められない。</p>
  したがって，被告折り図は，本件折り図の複製物又は翻案物のいずれにも当たらないというべきである。

<p>あすか法律情報　平成23年9月号-1</p>
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 <updated>2011-09-30T19:00:10+09:00</updated>
 <published>2011-09-30T19:00:10+09:00</published>
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 <title type="text">事例)　契約締結に先立つ説明義務違反と債務不履行責任</title>
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 <category term="金融" label="金融" scheme="http://www.aska-law.jp/blog/index.php?mode=category&amp;aim=B6E2CDBB" xml:lang="ja" />
 <summary type="text" xml:lang="ja">　Ｙ（信用協同組合）は、資産の欠損見込額を前提とすると債務超過の状態にあり、早晩...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>　Ｙ（信用協同組合）は、資産の欠損見込額を前提とすると債務超過の状態にあり、早晩監督官庁から破綻認定を受ける現実的な危険性があった。</p>
　Ｙの代表理事らは、このことを十分に認識しえたにもかかわらず、Ｙの支店の支店長をして、Ｘに対して、そのことを説明しないままＹに出資するよう勧誘させた。

<p>　Ｘは、前記勧誘に応じ、５００万円の出資を行った。</p>
　その後、Ｙは、金融再生委員会から、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を受け、経営が破綻した。

<p>ＸのＹに対する以下の請求は認められるか。</p>
?	不法行為による損害賠償請求

<p>?	出資契約上の債務不履行による損害賠償請求（仮に、?が時効にかかった場合）</p>
<span style="color:#4bdb00;">【解答】</span>　<span style="color:#ff0000;">?は認められるが、?は認められない。</span>


<p>　最高裁平成２３年４月２２日</p>
　銀行法務Ｎｏ７３１　Ｐ５８

    
<p>（理由）</p>
　契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはない。

<p>　なぜなら、一方当事者が信義則上の説明義務に違反したために、相手方が本来であれば締結しなかったはずの契約を締結するに至り、損害を被った場合には、後に締結された契約は、上記説明義務の違反によって生じた結果と位置づけられるのであって、上記説明義務をもって上記契約に基づいて生じた義務であるということは、それを契約上の本来的債務というか付随義務かというかにかかわらず、一種の背理であると言わざるを得ないからである。</p>
（原審　大阪高裁平成２０年８月２８日）

<p>　Ｙの説明義務違反を認定したうえで、当事者が契約関係に入った以上は、契約上の信義則は契約締結前の段階まで遡って支配するに至るとみるべきであるから、本件説明義務違反は、不法行為を構成するのみならず、本件出資契約上の付随義務違反として債務不履行をも構成する。</p>
あすか法律情報　平成23年7月号-4

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 <updated>2011-07-31T18:55:42+09:00</updated>
 <published>2011-07-31T18:55:42+09:00</published>
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 <title type="text">事例)通信社の配信記事が名誉棄損に当たらない場合、通信社からの配信に基づき記事を掲載した新聞社についても免責されるか</title>
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 <summary type="text" xml:lang="ja">　Ｘは、社団法人共同通信社（以下、Ａ）の配信した記事が、地方新聞社であるＹの発行...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>　Ｘは、社団法人共同通信社（以下、Ａ）の配信した記事が、地方新聞社であるＹの発行する新聞に掲載されたことによって名誉を棄損されたとして、共同通信社及びＹに対して、不法行為に基づく損害賠償を求めた。</p>
　下記の事情があったとき、ＸのＹに対する請求は認められるか。

?	Ａが配信した記事は、公共の利害に関する事実にかかるもので、その記事掲載は、専ら公益を図る目的に出たものである。掲載記事については真実であることの証明はないが、真実であると信じるについて相当の理由があった。
  
?	Ａは、全国の地方新聞社等を社員（加盟社）とする社団法人であり、国内及び国外のニュースを取材し、作成した記事を加盟社等に配信する事業を行っている。加盟社は、配信を受けた記事を自己の発行する新聞に掲載するか否かを自由に判断することができるが、掲載する場合には、原則としてそのまま掲載すべきとされている。
        
?	加盟社は、Ａの社員として、社費等の支払いを通じてＡの運営費用を負担している。また、加盟社は、社員総会等の内部組織を通じてＡの経営に参画しており、Ａの理事及び監事の多くは加盟社の役員等から選任されている。
        
?	Ｙは、裏付け取材をすることなく、本件配信記事をほぼそのまま自社の発行する新聞に掲載した。
        
<p>?	Ａから加盟社に配信される記事は、通常１日当たり約１５００本であり、Ｙの発行する新聞においては、全記事の５割から６割程度がＡからの配信に基づいている。</p>
<span style="color:#049900;">【解答】 </span> <span style="color:#ff0505;">認められない。</span>


<p>　最高裁平成２３年４月２８日第一小法廷</p>
　判例タイムズ１３４７号　Ｐ８９〜９４

<p>（理由）</p>
?	新聞社が通信社を利用する報道システムは、国民の知る権利に奉仕するという重要な社会的意義を有している。

<p>?	上記報道システム下では、通常は、新聞社が通信社から配信された記事の内容について裏付け取材を行うことは予定されておらず、これを行うことは現実的に困難である。</p>
?	通信社が相当の理由があるため免責される場合でも新聞社が免責されないこととなれば、報道が委縮するおそれがある。

<p>?	少なくとも、当該通信社が当該新聞社とが、記事の取材、作成、配信及び掲載という一連の過程において、報道主体としての一体性を有すると評価することができるときは、当該新聞社は、当該通信社を取材機関として利用し、取材を代行させたものとして、当該通信社の取材を当該新聞社の取材と同視することが相当である。</p>
?	通信社に相当の理由があるのであれば、配信記事の真実性に疑いを抱くべき事実があるにもかかわらず新聞社がこれを漫然と掲載したなど特段の事情のない限り、新聞社が自己の発行する新聞に掲載した記事に摘示された事実を真実と信ずるについても相当の理由があるというべきである。

<p>あすか法律情報　平成23年7月号-3</p>
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 <updated>2011-07-31T18:50:00+09:00</updated>
 <published>2011-07-31T18:50:00+09:00</published>
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 <title type="text">事例）広告に付された文字標章と商標権侵害</title>
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 <summary type="text" xml:lang="ja">　Ｘは、指定役務を「学習塾における教授」（第４１類）とする「塾なのに家庭教師！！...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>　Ｘは、指定役務を「学習塾における教授」（第４１類）とする「塾なのに家庭教師！！」という文字からなる登録商標（本件登録商標）を有しており、学習塾の直営及びそのフランチャイズ事業を全国展開している。</p>
　Ｙも学習塾を経営しているが、生徒募集及び従業員募集等の折り込み広告及びウエブサイト上の広告に「塾なのに家庭教師」の文字標章（被告各標章）を付して配布等を行った。

<p>　Ｘは、Ｙに対して、Ｘの商標権を侵害するとして、被告各標章を付した広告の配布の差し止めを求めたが、認められるか。</p>
<span style="color:#54c100;">【解答】</span>  <span style="color:#ff0000;">認められない。</span>

<p>　東京地裁平成２２年１１月２５日（確定）</p>
　判例時報２１１１号　Ｐ１２２〜１３８

<p>（理由）</p>
?	被告各標章「塾なのに家庭教師」の構成と称呼「ジュクナノニカテイキョウシ」の語が、造語であって、「塾であるにもかかわらず家庭教師」のようであることを示す語であると理解することができるが、その具体的な態様ないし内容については様々なものを想起しうるから、「塾なのに家庭教師」の語それ自体から直ちに一義的に特定の観念が生じるということはできない。

<p>?	学習塾の業界関係者、生徒及びその保護者の間において、Ｙが経営する個別指導方式の学習塾の名称にかかる標章「東京個別指導学院」が著名なものとなっている。</p>
?	Ｙの新聞折り込み広告やウエブサイト上の広告における他の記載を含めた被告各標章の具体的な使用態様からすれば、広告に接した学習塾の需要者である生徒及び保護者において、集団塾の長所及び短所と家庭教師の長所及び短所を対比した説明文などから、学習塾であるにもかかわらず、自分で選んだ講師から家庭教師のような個別指導が受けられるなど、集団塾の長所と家庭教師の長所を組み合わせた学習指導の役務を提供していることを示した宣伝文句であると認識し、他方で、その役務の出所については、広告上の付された「東京個別指導学院」等の標章から想起し、「塾なのに家庭教師」の語から想起するものではない。

<p>あすか法律情報　平成23年7月号-2</p>
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  </div> 
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 <updated>2011-07-31T18:47:34+09:00</updated>
 <published>2011-07-31T18:47:34+09:00</published>
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 <entry>
 <title type="text">事例）妻が、夫に対し、夫との間に法律上の親子関係はあるが、妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子につき、離婚後の監護費用の分担を求めることが、権利の濫用に当たるとされた事例</title>
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 <category term="民事・商事" label="民事・商事" scheme="http://www.aska-law.jp/blog/index.php?mode=category&amp;aim=CCB1BBF6A1A6BEA6BBF6" xml:lang="ja" />
 <summary type="text" xml:lang="ja">Ｘ（夫）とＹ（妻）は、婚姻届出をした夫婦であり、Ｙは婚姻中にＡを出産した（なお、...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>Ｘ（夫）とＹ（妻）は、婚姻届出をした夫婦であり、Ｙは婚姻中にＡを出産した（なお、ＸとＹには、他に２人の子供がいる）。</p>
Ａは、ＹがＸ以外の男性との間にもうけた子であり、ＡとＸとの間には自然的血縁関係がない。

<p>Ｙは、Ａを出産後２か月以内にそのことを知ったが、Ｘに告げなかった。</p>
Ｘが上記事情を知ったのは、婚姻関係破綻後であり、Ａの出生から約７年後であった。

<p>このため、Ｘは、嫡出否認の訴えを提起することができず、Ａとの親子関係を否定する法的手段を失った。</p>
以下の事情がある場合、ＹがＸに対して、離婚後のＡの監護費用の分担を求めることが権利の濫用になるか。

<p>?	ＸはＹに対して、婚姻関係破綻前の４年間、月額１５０万円程度の生活費を渡していた。</p>
?	ＸはＹに対して、婚姻関係破綻後も、月額５５万円の婚姻費用を負担していた。

<p>?	ＹはＸから、財産分与として１２７０万円をもらう予定である。</p>
<span style="color:#00c118;">【解答】</span>  <span style="color:#ff0000;">権利濫用にあたる。</span>

  
<p>　最高裁平成２３年３月１８日第２小法廷判決</p>
  判例タイムズ１３４７号　Ｐ９５〜９７

<p>(理由)</p>
?	Ｙが出産後程なくＡとＸとの間に自然的血縁関係がないことを知ったのに、そのことをＸに告げなかったため、ＸがＡとの親子関係を否定する法的手段を失った

<p>?	Ｘが婚姻中、相当に高額な生活費をＹに交付するなどして、Ａの養育・監護のための費用を十分に分担してきた</p>
?	離婚後のＡの監護費用を専らＹにおいて分担することができないような事情はうかがわれない

<p>　以上を総合考慮すれば、ＹがＸに対し離婚後の監護費用の分担を求めることは、監護費用の分担につき判断するにあたり子の福祉に十分配慮すべきであることを考慮してもなお、権利の濫用に当たるというべきである。</p>
（原審　東京高裁平成２０年１１月６日）

<p>　ＸとＡとの間に法律上の親子関係がある以上、Ｘはその監護費用を分担する義務を負う。</p>
あすか法律情報　平成23年7月号-1

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  </div> 
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 <updated>2011-07-31T18:44:30+09:00</updated>
 <published>2011-07-31T18:44:30+09:00</published>
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 <title type="text">事例）強制執行と仮差押えでは、添付書類は同一か？</title>
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 <summary type="text" xml:lang="ja">１　権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が、当該社団の構成員全...</summary>
 <content type="xhtml" xml:lang="ja">
  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>１　権利能力のない社団を債務者とする金銭債権を有する債権者が、当該社団の構成員全員に総有的に帰属し、当該社団のために第三者がその登記名義人とされている不動産に対して仮差押えをする場合には、当該不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを確認する旨の確定判決を添付して申立をしなければ却下となるのか？</p>
２　本件では、債権者は本件不動産が債務者の構成員全員の総有に属することの確認を求める訴訟を提起し、勝訴判決を得たものの、いまだ、勝訴判決は確定していないため、強制執行をすることはできなかった。そこで、債権者は、その有する金銭債権の実現を保全するため、申立書に、訴訟において提出された主な書証及び勝訴判決の判決書等の各写しを添付して申立をした。

<p>３　これに対し、原審、原原審とも、最高裁判決２２・６・２９は、強制執行の場合には、確定判決その他これに準ずる文書を添付すべきと判示しているので、仮差押えの場合も同様であるとして申立を却下した。</p>
　最高裁はどう判断したか？

<p><span style="color:#00a80f;">【解答】</span>　<span style="color:#ea0000;">原決定を破棄し、原原決定を取り消して、原原審に差し戻した。</span></p>
　最高裁２３・２・９決定

<p>　判例時報Ｎｏ２１０７　ｐ１１２</p>
（理由）

<p>強制執行の場合とは異なり、添付書類は、当該不動産が当該社団の構成員全員の総有に属することを証明するものであれば足り、必ずしも確定判決その他これに準ずる文書であることを要しない。</p>
あすか法律情報　平成23年6月号-4

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 <updated>2011-06-30T18:39:03+09:00</updated>
 <published>2011-06-30T18:39:03+09:00</published>
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 <title type="text">事例)「シルバーヴィラ向山」は、登録商標「シルバーヴィラ」を侵害するか？</title>
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  <div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
   <p>１　Ｘは登録商標を「シルバーヴィラ」とする商標権を有し、かつ、「シルバーヴィラ向山」という名称の有料老人ホームを運営している株式会社である。</p>
２　Ｙは「シルバーヴィラ揖保川」等の名称で介護保険にかかる施設（介護老人保健施設）を運営する医療法人である。

<p>３　ＸはＹに対し、商標権侵害に基づく「シルバーヴィラ」の標章の使用差し止め及び損害賠償の支払いを求めるとともに、不正競争防止法２条１項１号の不正競争行為に該当するとして不正競争防止法３条１項に基づく「シルバーヴィラ」の標章の使用の差止めを求めた。</p>
４　Ｙは、

<p>?　「シルバーヴィラ」と「シルバーヴィラ揖保川」の類似性を否定。</p>
?　登録商標の指定役務は「老人の養護」であるのに対し、被告は介護保険法８条２３項の介護保健施設サービスを提供するものである（有料老人ホームは老人保護法２９条で規定されている施設であり、必ずしも介護保険法８条１１項の「特定施設入居者生活介護」にいう「特定施設」ではない。）。

<p>　と主張した。</p>
　請求は認められたか？

<p>　認められるとして、損害賠償額の算定方法は？</p>
<span style="color:#72b700;">【解答】 </span>
 
<p><span style="color:#ef0000;">商標権を侵害し、さらに不正競争防止法２条１項１号に該当するとして、商標法３６条１項に基づく差止めと不正競争防止法３条１項に基づく差止めを認め、商標法３８条３項による損害賠償を認めた。</span></p>
　判決は、

<p>?　Ｙは介護保険にかかる役務を提供するにあたり、その営業上の施設又は活動に「シルバーヴィラ揖保川」又は「シルバーヴィラ」の標章を付してならない。</p>
?　ＹはＸに対して金５７６万円を支払え。

<p>　東京地裁２２・７・１６判決</p>
　判例タイムズＮｏ１３４４　ｐ２０４

<p>（理由）</p>
?　Ｙの標章の要部は「シルバーヴィラ」であって、Ｘの登録商標と外観・呼称・観念のいずれについても一致し、全体として類似している。

<p>?　Ｙが運営する介護保険法上の介護老人保健施設において提供される役務は、Ｘ商標権の指定役務である「老人の養護」と類似する。</p>
?　損害額については、Ｘの施設とＹの施設の所在地や主な利用者の居住地等の違い、Ｘの施設及びＹの施設のいずれも営利を主目的とする施設ではないこと等を考慮して、Ｙの売上額の０．５％（Ｘの請求は売上高の１％）の額につき、損害賠償請求を認めた。

<p>あすか法律情報　平成23年6月号-3</p>
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