事例) 会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間

 預金保険法附則7条1項所定の整理回収業務を行うXは、某銀行の取締役であったYに対し、融資の際にYに忠実義務、善管注意義務違反があったと主張して、旧商法266条1項5号に基づく損害賠償請求を行った。

仮に、損害賠償の対象となるYの行為から7年が経過していた場合、Xの請求は認められるか。

【解答】 認められる。

最高裁第二小法廷平成20年1月28日

銀行法務21 No.687号

(理由)

ゝ貍λ。横僑蕎鬘厩爍宜罎亡陲鼎取締役の会社に対する損害賠償責任は、取締役がその任務を懈怠して会社に損害を被らせることによって生じる債務不履行責任であるが、法によってその内容が加重された特殊な責任であって、商行為たる委任契約上の債務が単にその態様を変じたにすぎないものということはできない。

⊆萃役の会社に対する任務懈怠行為は、外部から容易に判明しがたい場合が少なくないことを考慮すると、同号に基づく取締役の会社に対する損害賠償責任については、商事取引における迅速決済の要請は妥当しない。

以上によれば、旧商法266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は、商法522条所定の5年ではなく、民法167条1項により10年と解するのが妥当である。

あすか法律情報 平成20年4月号−1

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— posted by infoaska at 10:40 am  

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